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第20話 社員食堂の罠・中編

Author: 八月 猫
last update publish date: 2026-07-27 11:45:03

食堂の入口に立つ帝人さんは、明るい照明の下でもまったく周囲に馴染んでいなかった。

黒いスーツに鋭い眼差し。社員食堂へ昼食を取りに来たというより、抜き打ち検査へ来たように見える。

周囲の話し声が波のように小さくなった。

箸を持ったまま固まる人。

慌てて姿勢を正す人。

なぜか社員証を裏返していたことに気づき、急いで直す人までいる。

帝人さんは、そのすべてを気にせず食堂内を見回した。

やがて私を見つける。

迷いなくこちらへ歩いてきた。

「小春」

「どうしてここにいるんですか?」

「社員食堂の視察だ」

「今日が初めてなんですよね?」

「それが何だ」

「私たちがここにいると知って来ましたね?」

「総帥が社員の利用環境を確認することに問題があるか」

「ありませんけど、ずいぶん都合のいい時間ですね」

帝人さんは答えず、私のトレーへ視線を落とした。

「それが限定定食か」

「はい。鶏肉の香草焼きです」

「俺の分は」

「売り切れました」

「追加で作らせる」

「限定の意味がなくなるので駄目です」

「一食増やすだけだ」

「帝人さんの一食を増やしたら、ほかの方も頼めることになりますよ」

「
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Comments (2)
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八月 猫
十分に優しくしてあげてるのにぃ( ̄ー ̄)ニヤリ
goodnovel comment avatar
雨音休
帝人が可愛い。もう少し優しくしてあげて欲しい(笑)
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